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2013年10月17日『聴いて、見て、知る!』を合言葉に開催されたtcgroup day in 大阪2013に行ってきました。場所は吹田市文化会館メイシアター。そうなんです、大阪でしか開催されなかった今回のレアな製品発表会。固定設備向け機材からミュージシャン向けのベースアンプやエフェクタの紹介まで盛り沢山!満喫レポートです。

二部構成の今回の発表会、第一部は固定設備・ツアーPA向けのスピーカ&アンプ&プロセッサの紹介。
Tannoy社(英)からはGraham Hendry氏(アプリケーション・エンジニアリング&トレーニング・グループ統括責任者)、Lab.gruppen社(瑞典←漢字でかくとコレ・どこの国でしょう・微笑)からは、エンジニアのトップMartin Andersson(製品開発責任者)の両氏が来日しての解説でした。
Tannoy社は、DSP付可変アレイコントロール・カラムスピーカQflexシリーズとポイントソーススピーカVQシリーズの紹介、Lab.gruppen社の新パワーアンプとLakeプロセッサの紹介でした。
そして二部はTonePrintという機能が付いた新ベース・アンプ「BG250」、ライブパフォーマンス付のエフェクター(ルーパー)の紹介。ルーパーのデモンストレーションは、シンガーソングライターのエバラ健太さんとメタルバンドで活躍しているTOSHI HIKETAさんによる演奏形態で行われました。二人のミュージシャンの腕(いや足技!笑)に見とれて、いやいや、聞き惚れて一日を楽しんできました。

 

●ポイントスピーカVQシリーズについて 迫力と音の暖かさ
実は2年前震災後まもない時期に開催された北東北の音響技術研修会でポイントソースVQシリーズの威力を目の当たりにしたことがある。ドカンと一発!音が出た瞬間、髪の毛が風に吹き飛ばされるような音の圧力、強さを感じ、音質も機械的ではない暖かい音で、とても印象深かった。今回も、なお健在!で思わず顔がにやけてしまった(笑)。今回の発表会では、カラムスピーカによる指向角度を可変させた時の音と、ポイントソーススピーカを続けて音の違いを視聴した。

Tannoy社のカラムスピーカQflexはDSPを用いた指向角度の調整が可能な優れたスピーカでありの指向角度の可変の効果を確認することもできた。一方、ポイントソースであるVQシリーズのスピーカは、前述のように音の力強さ、迫力を感じる一方、暖かさも感じた。ポイントソースの良さと威力を目の当たりにすることができた。カラムスピーカでもポイントソーススピーカでもスピーカ開発では、位相をそろえたことを強調する解説をよく耳にするが、位相がそろったことで、音の暖かさを感じなくなってしまう(人工的な印象が強くなってしまうせいか?)と感じた製品も今までにあった。位相をそろえることだけが大事ではないと感じる。このVQシリーズは、まさに音のクリアさも追及しているものの、力強さと音の暖かさは欠けていないと感じる。これぞまさに開発者の熱意を感じることができた。

最近では話題性もあるカラムスピーカのほうが流行で人気もあるが、改めてポイントソースの音の良さ、カラムスピーカとの違いを再確認できたありがたい視聴会であった。

 

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● Tannoy社のDSP付カラムスピーカQflexについて
カラムスピーカの考え方・技術は決して新しくはないが近年では各社特徴をもった製品が発表され種類も豊富になってきた。
カラムスピーカの特徴は、垂直方向(長さ方向)の指向性が狭く、水平方向に指向性が広いことであり、この狭い指向範囲を、適切に聴取位置に向けることができれば、響きの長い空間でも明瞭さが確保できる、という利点がある。

固定設備で設置する場合には、この「適切に聴取位置に向ける」ための検討があらかじめ必要となる。スピーカ中央が指向軸となり聴取位置がスピーカの正面であれば苦労は少ないが、聴取位置よりも高い位置に設置するとなると、スピーカの正面をすべての聴取側にまんべんなく向けるために物理的な角度をつけてスピーカを設置しなければならなくなる。この時にスピーカ付属のDSPにより各ユニットの音量、ディレイ調整を行うことで、スピーカが直立状態でも(角度をつけて設置しなくても)垂直方向の軸や指向範囲を可変できる、これがDSP付カラムスピーカである。

Tannoy社のQflexについてはユニット構成を見るとTannoy社の意向が良く伝わってくる。

高音域用の1インチ小型ユニット(スモールドライバ)、中音域用3インチユニット、低音域用4インチユニットからなっているがスモールドライバについては指向性を広く得たい、低音域用ドライバについては低音域の音量と帯域の確保したい、という考えによるものと理解できる。Qflexは、BeamEngineという専用ソフト(フリーソフト)で垂直方向の指向範囲を10~100度、指向角度を±70°の範囲でコントロールできる。BeamEngine GUIというソフトウェアでカバーしたいエリアに対してシミュレーションができ、データはDSPにも適用できる。

今回の解説ではスピーチの明瞭さを得るには高音域に着目した指向範囲の検討が大事、BeamEngineなどソフトを利用すれば容易にできる、活用してほしい、検討が必要な時には遠慮なく声をかけて下さい、手伝ぃます!という内容であった。

 

●設備向けDSP搭載パワーアンプLUCIA  Lab.gruppen社
Lab.gruppen社のLUCIA(Localized Utility Compact Intelligent Amplifier)と名付けられたこの小型アンプ。W216×H44×D280 、1.9kgの小型でDSP付アンプ。2チャンネルと4チャンネルの入力に対応した機種、60Wおよび120Wの出力の製品がある。このコンパクトさで4バンドPEQ、マトリクスも組めてしまうDSPが付いてる。お値段もお手頃5万円台~8万円台、10万円で余裕でおつりがきます。まだ音は聴けませんでしたが近々聴きたいと考えています。

 

●ベースアンプ BG250
小型ながら250Wのパワーのベース用コンボアンプ、一番小さいタイプで8インチが2発のタイプ、11.6kgで6万円。安いタイプは12インチ1発で4万円台。このベースアンプエフェクト・トーンを着せ替えられるというTonePrint機能対応。このTonePrint、スマートフォンのアプリからこのベースアンプへ、無線でお好みのエフェクトトーンをセットアップできる、なかなかユニークな機能が付いている。
昔の電話回線を利用したパソコン通信のときに聞こえる「ぴ~ひゃらら~ツー」というような音で、エフェクトトーンをベースアンプにアップロードする。昔懐かしい音で思わず笑ってしまった。そういえばパソコン通信を教えてくれた我が父もベースをたしなんでいるが、ベースアンプの調子が悪いといっていたなぁ。プレゼントしてもいいかなぁ~と思える一品でした。

 

●ボーカルエフェクト・プロセッサー、ギターエフェクトプロセッサー ルーパーとアレンジのデモ
今回の目玉の一つ、エフェクトプロセッサーのデモンストレーション。ルーパーアレンジの多彩な技を拝見させていただきました。ルーパーの機能を簡単に解説すれば、一つのフレーズを録音し、それを再生させれば、1人でも同時に2パートを演奏させることができる。多重でどんどん録音していくことで、1人で何パートも演奏している、セッションしているようなことができる。音質も変えられアレンジも可能。生演奏で、何フレーズも重ねて使いこなしている様子をみさせていただきました。ルーパーといえば、こちらも我が父に「一人練習用にほしい」と相談されたことがありましたが、今回ライブ(生演奏)でルーパーを使いこなす、エバラさん、TOSHIさんともにライブで使いこなす姿は一種の神業を感じました。ついつい自分もやってみたくなる、そういう感じにさせてくれるパフォーマンスでした。ところでTOSHIさんの最後の演奏は確かマザーという曲でしたが、素晴らしく激しい曲で、TOSHIさんのお母様はどんなにワイルドな人なのだろうか、と想像力を掻き立てられました・笑。

 

主催:TCグループ・ジャパン株式会社 http://www.tcgroup-japan.com/  http://www.tcgroup-japan.com/TCGDay2013/(千葉朝子記)