音響設計の仕事を通しての会館職員のご活躍とご苦労についての感想

日常の設計管理コンサルタント業務を通じて仕事の流れにそって日ごろ感じることを披露したいと思います。
(特に会館職員との関わりについて)

4. 竣工時点

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この時期直前では音響設備の調整作業がある。道具に魂を入れる作業に等しいのである。最近になって、コンパクトワンボックスタイプのスピーカーがほとんどホールの固定設備すなわちプロセニアム周辺に固定設置されるスピーカー群、客席無いに設置されるシーリング、ウォールスピーカーなどであるがこのスピーカは本来ツアリング用であるが,専用プロセッサによってスピーカシステムの特性は基本的な特性が保証されているのである。しかし、基本設置条件を超えた固定設置の場合は本来メーカーが保証する範囲を超えているにもかかわらず、メーカーの保証を拡大してかあるいは再生される音質を保証する意味かは判然としないけれど、そのスピーカー本来の音を実現させるために調整作業をおこなっているメーカーあるいはディーラーが多い。この調整作業と設備施工者で行う調整作業との境界が現在混沌としている。施工者サイドだけでは決して実現できない音質のファインチューニングである。これは既に独立した作業であり業界を形成しても良いのではないだろうか。最近特にスピーカーの能力が飛躍的に向上している現在,従来のユニットコンポーネントを組み合わせてシステムアップしナロウで癖のあるいや性格のはっきりした音であったためスピーカー固有の音質を本来の音に戻すべき調整は逆に必要無かった時代と既に決別しているのである。また、一般的な、大まかな調整では本来の能力を発揮できない。しかしいつまでもメーカー独自の調整に頼ってはいられないのも事実である。現在、既にこの点に気がつきこれらの新しいジャンルに属するスピーカの特徴を理解しかつ一般化できるパラメーターを見出して調整作業をおこなっているグループも少数ではあるが存在する。われわれもその一員であるがなかなか理解されにくいのも事実である。

このファインチューニングとでも呼んだ方が良い作業が設備の最終作業では必ず必要であることがまだ、これに関心のある施工担当者でさえスピーカに付帯しているものとの認識が一般的な感じがする.徐々にではあるが理解もされてきている。スピーカーのおまけでは済まされない作業量でもあり、そうすべきではない重要な一項目であり,当然その重要さに対して作業の対価を認める必要があると考えるべきである。また,これらの作業で十分な報酬を受けられるように受け皿の明確化と,まだ少数ではあるが業界の結成を促すべきであると考えている。また、この時点でホール音響技術担当者に立ち会ってもらえることも重要である。一緒に音を確認でき、創っていくことができるのである。

最近ではこの機会が前述のように多くなってきている。これができないと、ホール音響担当者が決定した時点で再度この作業が必要で、さらには、前出のようにギクシャクした関係になる可能性もある.

(浪花克治記)

Part5に続く。

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