毎年冬恒例の喜多方プラザで開催されたFBSR会に参加した。
今回のテーマは、デジタル機器接続に関する音の同期。我が事務所は 同3月竣工を控えた喜多方プラザの大ホールの舞台設備改修工事の計画設計に参画させていただいており音響設備の改修設計の概要説明をする機会を頂き貴重な経験となった。
実は 喜多方プラザの大ホールもデジタル回線を引き回しネットワークされたオーディオシステムを採用している。

 今回は、小ホールのミニライブ会場と、同期実験室とに分かれて実施され、我々は 薄会長とともに同期実験室の実験会場に参加した。この同期実験室では、 ヤマハのデジタルミキサーO2R、O1V、シンクジェネレータにBigBen、 AES/EBU付のCDプレーヤやメモリー再生器、MUTEC(MC-6)のサンプリングレートコンバータが準備された。

1日目は、参加者から募った同期に関わる疑問をその場で実験することで結果を肌(耳ですね)で体感する形式で進められた。

・同期をとらないとどうなる?
・アナログとデジタルの違いは?
・ワードクロックジェネレータの電源がとぎれたらどうなるか
・外部同期がないときとあるときの違い
等を実験し、

その他、
・AES/EBUの信号をアナログ入力にいれたら?
という、 普段では絶対に怖くてできない実験も、恐る恐る実験する機会を得ました。 さてどんな音でしたでしょうか(微笑)

2日目は、小ホールで実施されているミニライブとモニタリングできるようにセッティングした実験室とを行き来し、 実験室では自由に実験ができるように開放されていた。 中にはデジタルミキサーや同期に詳しいメーカ所属の参加者からの解説もあり有意義な会であった。 こういう参加型の実験会は個人的にも好き。1+1=3にも4にもなるような気がするし、世界が広がる気がしてわくわくしてきます。

同期実験室に準備されたデジタルミキサーO2RはPA現場でも良く目にする機種であり 音響技術者ならば一度は手に目にしたことがある機種。 O2Rについては内部に同期信号を持っており、 外部同期と内部同期を一緒に発生させるとどうなるか?という実験も行われた。
同期が大事だと考えてミキサーの内部同期信号を使うことでトラブルも発生するし、 アナログ、デジタルごちゃ混ぜたり、同期信号発生器を外部や内部に変えて実験してみたり。 外部同期信号発生器を適切に利用する方法が最も音質が良く、 それ以外は音は出るのだが、 最良な方法で得られた音質に比べるとやや劣っている、ノイズが出る、音がでない等の結果であった。

現場とは、整理されていない場所である。 自分の知った機器同士で同期の問題もなく接続する分には問題なくても いざ別の現場で他の機器と接続して、音は出ていいるがなんか音がへん?と感じても なかなか原因究明の時間がないことも多いだろう。結果的にはアナログ機器のほうが接続しやすく、簡単、となってしまう。 せっかく準備したデジタル機器を使えず、がっかり。。ということにもなりかねない。

デジタル機器が普及し、今回小ホールのミニライブでも用いたデジタルマイクが登場する今日、 現場では同期に関する知識や経験は欠かせなくなってきている。 マスターとなる同期信号発生器によって接続されるデジタル機器の同期を管理することはできるが、 接続されるデジタル機器自身が同期信号を発生する機能を持っていることも多く、 設定を間違えると、同期信号が多数発生され同期がとれなくなってしまう例も少なからずある。

デジタル機器が普及してきた今日では 最良な音質を手にいれようとすれば同期に関わる問題を知ることが重要であることを再認識した。
人と人との間も同期が取れると最良な結果が得られると思うと、 同期は機器と機器だけの問題でもないように感じる。

昨年のFBSR会では、SM58マイクの歴史を知り、ラーメンのような皆の温かさを感じた。 今年はデジタル機器の接続に重要な同期の性格を知り、 ラーメンバーガーなる新種のラーメンを参加者から教えてもらい、やはり人の温かさを感じました。

東北は寒いけど、音が好き!音響が好き!という心温かい老若男女たちが集い、素直に普段から疑問に思っていることを、皆でざっくばらんに話したり体験できる このFBSRの実験会は、本当に毎回楽しみでなりません。
次回はなにかな?とても楽しみです。

(千葉朝子記)